三川内焼は、その名を平戸焼ともいいます。旧平戸藩領の南端、旧佐賀藩領有田と旧大村藩領波佐見に境を接した、木原、江永、三川内で焼かれた焼き物です。慶長三年(1598年)の開窯より、当時の朝廷や将軍家へ作品が献上され、日用品から室内装飾品までいつも高級感のある「やきものづくり」に専念してきました。三川内焼の美しさの特徴は、次のようなものがあげられます。
・天然陶石を原料とすることで生まれた白磁の白さのみの焼き物であること
(三川内焼の白は白でも、純白を極限まで追求した色と言われています)
・とても繊細な筆致による絵付けで、唐子、花鳥山水、秋草文様などを生み出す染付(そめつけ)であること
・透かし彫り、貼り付け、置き上げ、薄胎など、細部まで高度な技術の細工であること。
中でも、平戸嘉久正窯は、伝統ある青華技法を継承し、白を基調とした味わいのある色、及びしっとりとした手触りの白磁を作り続けており、必見の価値があります。先人の技と心は、今日の三川内焼きに伝承され、国の伝統工芸品に指定されています。
・山で、採石をします。
・原石をクラッシャーで砕きます。
・スタンバーで粉末にします。
・粉末を水槽に入れ、撹拌します。(水簸)
・フィルタープレスで水をしぼって粘土にします。
・真空土練機で粘土から空気を取ります。
・素地を流し込み、ロクロで成形します。
・乾燥させた後に、削り仕上げします。
・800度で、素焼きします。
・呉須による絵付けをします。(下絵付け)
・釉薬をかけます。(施釉)
・1300度で、本焼成します。
・赤絵による絵付をします。(上絵付け)
・800度で、上絵焼成します。